――世の中にはもともと、ストレスに強いタイプもいるようですね。
心理学者の間では、人はタンポポとランの二つのタイプに大別されると言われている。タンポポ型は生まれつきどんな状況に置かれても強く、たくましく育つ。貧困に置かれようが虐待されようが、心が折れずにたくましく生きる。
ただし、こういう子の精神力をそれ以上伸ばすのは困難で、親の努力次第で何かが変わることはなく、「そのまま」育つ傾向がある。一方、ラン型の子は環境によって育ち方が大きく変わり、親や教師の努力、どういったチャンスが与えられるか、といったことが影響する。
マインドセットは、間違いなくラン型にぴったりなストレス対処法だ。ランはストレスによるトラウマを引き起こしやすい一方、人に対す思いやりが強く、感情移入もしやすい。タンポポ型はそもそも、ストレスを感じること自体が少ないので、私の本を読む必要もないだろう。
――ストレスに弱いタイプの人でも、とらえ方さえ変えれば人生において成功することはできますか。
定義にもよるが、私が言う成功者は、自らの価値観に沿った人生を送り、自分が世界に提供したいと思ったものを提供し、自身が下した決断に満足している人のことだ。ストレスを感じるのは自らの価値が危機にさらされる局面といえる。成功者はストレスを通して、自分にとって大切なことは何か、これから何をしたいのかにうまく気がつけているのだろう。