2015年12月2日水曜日

インベンションとイノベーション

「インベンションとイノベーション」

人々はよく「発明(インベンション)」と「イノベーション」を同じ意味で使うが、実際にはまったく別のものだ。「発明」とはそれまでにない革命的なアイデアやテクノロジーを考え、生み出すことだが、「イノベーション」はそのアイデアを実行に移し、利用する方法を見出すことも含む。つまり、ロボット・ホイールやシティカーは見事な「発明」だが、その発明を実験室に閉じ込めておくのではなく、実世界で利用できるようにすることが、真の「イノベーション」なのだ。さらに、発明はたったひとりの想像力や手から生まれることもあるが(そして実際に多くの発明がそうして生まれているが)、今日の世界の複雑性に絡み合った問題を解決できるほどの真のイノベーションを生み出すには、人々や組織の大規模な共同作業が必要だ。ウィリアム・ミッチェル教授は著書『「考えるクルマ」が世界を変える』で、この問題を「厄介な問題」と呼んでいる。「厄介な問題」とは、「明確な答えがなく、コンセンサスの構築が必要で、解決しようとする主な関係グループの利害と対立する場合があり、腰の重い大組織との協力が欠かせない」問題だ。
フランク・モス『
MITメディアラボ―魔法のイノベーション・パワー

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