2015年12月5日土曜日

first Wow/Later Wow

別のキーワードで、「first Wow/Later Wow」というのがあります。第一印象で「ワォ!」と思わせることは、デザインではすごく重要なファクターであると思います。でも、デザインのことを考えるにつれて、人間にとっての本当の喜びとくらべて、最初にそれを見て「ワォ!」って喜ぶ、「First Wow」といえるようなことは実はたいしたことがないのではないか、と思いました。たしかにそれも重要なことだろうけれど、それよりも自分を環境化したことによって感じられる別の価値もあるはずです。たとえばアートの世界でもそうですが、美術館に行ってモダン・アートを「理解」しようとする難しい場合がありますよね。「この人はこんなことを考えていたんだ」ということ。作者の意思と受け手がシンクロする瞬間です。その時間のずれがいいなと思います。少し遅れ「ワァーォ!」という遅れがある。これを「Later Wow」と名づけました。

『デザインの生態学―新しいデザインの教科書』後藤 武  (著), 佐々木 正人  (著), 深澤 直人  (著)

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